よくある質問
FAQ痛みがあるときでも、運動していいのでしょうか?
痛みがあっても、炎症が過度に強くない場合は、適度に身体を動かすことがむしろ関節や筋肉の機能維持に役立ちます。完全に安静にしてしまうと、関節拘縮や筋力低下を招いて痛みの悪化につながるおそれがあります。
関節リウマチなどで痛みを感じるときは、まったく動かさないと関節がかたくなり、筋力が衰えてしまいます。その結果、将来的に動ける範囲が狭まり、痛みも改善しにくくなる可能性があります。激しい腫れや炎症があるときは一時的に安静が必要ですが、軽度〜中等度の痛みであれば、主治医やリハビリスタッフと相談しながらストレッチや軽い有酸素運動を続けることで、可動域の維持や血流改善を図り、長期的には痛みを抑える効果も期待できます。無理をせず、自分の症状に合わせて少しずつ運動量を調整しましょう。
痛む関節は冷やすほうがいい? それとも温めるほうがいい?
急性的な熱や腫れを伴った痛みの場合は炎症を鎮静化するために冷やすことをお勧めします。
注意として冷やしすぎは禁物です。関節の冷えやカイロなどによる低温火傷などのトラブルに気を付け、
冷やすときは5分ずつくらいを3クール、なお湿布は冷やす効果はないのでアイスノンなどを使用してください。
どちらか分からない時は自分が気持ちよいほうで構いません。
仕事や家事は続けられますか?
適切に治療すれば、多くの方は仕事や家事を続けることができます。リウマチ治療の目標は発症前と同じような日常生活を送れる状態に戻すことです。
ただし、症状が強いときは無理をせず、主治医と相談しながら過度な負担を避ける調整も必要です。 かつてはリウマチになると仕事を辞めざるを得ないケースもありましたが、今や薬物療法の進歩で職業生活を続けることも充分可能になっています。実際に、治療により痛みや腫れが取れて寛解に達すれば、フルタイムで働いている患者さんも多数います。ポイントは、症状の波に合わせて休息を取りつつ活動することです。疲れたら適宜休む、重い物は周囲に頼む、といった工夫をしながら上手に仕事や家事と付き合っていきましょう。
必要であれば主治医に診断書を書いてもらい、職場で業務調整(時短勤務や仕事内容の変更)について相談することもできます。
趣味や運動はやめなければいけませんか?
いいえ、適度に続けて構いません。むしろ無理のない範囲での運動は関節リウマチのリハビリに有効とされています。
趣味も生活の質を高める大切な要素ですので、痛みがひどくならない範囲で続けてください。関節リウマチだからといって安静にしすぎると、筋力低下や関節の拘縮(かたくなること)を招きます。医師から安静指示が出ていない限り、ストレッチや軽い体操などで筋肉を維持することが大切です。例えばウォーキングや水中運動は関節への負担が少なくお勧めです。一方、関節に激しい衝撃が加わるスポーツ(ランニングやジャンプを繰り返す運動)は控え、どうしても行いたい場合は主治医に相談しましょう。趣味活動も、続けることでストレス発散になりメンタル面のプラスになります。痛みが強い日は休むなど調整しつつ、病気とうまく付き合いながら好きなことを楽しむことは治療の一環と考えてください。
タバコやお酒は控えたほうがいいですか?
はい、控えることを強くお勧めします。タバコは関節リウマチの発症リスクを高め、病状を悪化させる要因とされています。
また治療薬の効果を妨げる可能性もあるため禁煙が望ましいです。お酒も大量摂取は避け、特にメトトレキサートなど肝臓に影響を与える薬を服用中は節酒してください。喫煙は関節リウマチの環境要因リスクの代表です。喫煙者は非喫煙者に比べリウマチになりやすく、またリウマチになってからも関節破壊の進行が早いとの報告があります。可能なら禁煙外来なども利用して断煙しましょう。アルコールについては、適量であれば必ずしも禁忌ではありませんが、週に何回も多量に飲む習慣は控えるべきです。飲むなら週にビール1~2本程度までにとどめておくのが無難です。主治医に相談すれば、肝臓への影響を定期的にチェックしながらであれば少量の飲酒を許可してくれる場合もあります。いずれにせよタバコは×、お酒はほどほどが原則です。
食事で気をつけたほうがいいことはありますか?
食事は体に取り込む栄養源です。
好きなものを好きなだけ食べるのではなく、栄養を意識しましょう。Ω3脂肪酸・たんぱく質・ビタミンなどが推奨されています
骨粗しょう症の薬はいつまで飲む必要がありますか?
治療はずっと続ける必要があります。お薬については効果と副作用をみながら変更することがあります。
骨粗鬆症の治療の目的は骨折予防であり、そのためにはお薬だけに頼らず運動や栄養も併せて取り入れる必要があります。
転倒は骨折リスクを上げるので、転ばない身体作りが重要です。
痛みがなくなっても、元のように動けないのはなぜですか?
痛みが治まった後に動かしにくさが残るのは、炎症による関節や筋肉のダメージが影響している可能性があります。
リウマチの炎症で関節の構造が傷んだり、痛みで長期間安静にしていたことで筋力が低下したり関節が硬くなっていることが原因です。 関節リウマチでは、炎症が強いときに関節を動かさないようにしていた結果、周囲の筋肉が痩せたり関節包や腱が硬縮して可動域制限が残ることがあります。また、炎症による軟骨や骨の破壊が起きていた場合、痛みが消えても関節の変形や摩耗によって以前のようなスムーズな動きができないこともあります。こうした場合、リハビリテーション(運動療法)が重要です。ストレッチや筋力トレーニングで弱った筋肉を強化し、関節の柔軟性を高めることで徐々に可動域を回復させます。
主治医や理学療法士と相談し、無理のないリハビリ計画を立てて取り組みましょう。
更年期で不安定ですが、リウマチと関係はありますか?
更年期のホルモン変動がリウマチの発症や症状に影響を及ぼす可能性は指摘されていますが、直接の原因というより間接的な要因と考えられます。
実際、関節リウマチは40~50代の女性に好発し、この時期は更年期と重なるため症状の変動が起きやすいです。女性ホルモン(エストロゲン)は免疫系と関係があり、エストロゲンが減少する更年期には自己免疫疾患の活動性が変化することがあります。一部の患者さんでは更年期にリウマチ症状が悪化したり、逆に発症後に妊娠すると症状が和らぐ(出産後に再燃しやすい)という報告もあります。これはホルモン環境の変化が免疫のバランスに影響するためと考えられています。ただ個人差が大きく、全員に当てはまるわけではありません。更年期で気分や体調が不安定な場合、リウマチ症状とも絡み合ってつらさが増すことがあります。当院では女性専門外来を設け、月経周期や更年期のゆらぎによる症状悪化の相談にも対応しています。
ホルモン補充療法の適否なども含めて、遠慮なくご相談ください。
気持ちが落ち込むのですが、精神面のサポートはありますか?
はい、当院では精神面のサポートにも配慮しています。
スタッフに気軽に気持ちを打ち明けていただければ、必要に応じて専門の心療内科やカウンセリングを紹介したり、患者さん同士が交流できる場をご案内できます。また、診療時間外でも相談できるリウマチコール(電話相談)の体制を整えており、不安な時に直接医療者とコミュニケーションが取れるようにしています。慢性疾患であるリウマチでは、痛みや不安からうつ状態になる患者さんも少なくありません。気分の落ち込みに対しては、早めに対処することが大切です。医師や看護師に相談することで、話を聞いてもらうだけでも心が軽くなることがありますし、必要があれば抗うつ剤の処方や専門医紹介も行います。また、リウマチ友の会など患者会に参加して同じ病気の仲間とおしゃべりすることも精神的支えになります。
当院の「患者さんのための取り組み」として、電話相談の他にも定期的な患者交流会の情報提供(リウマチ患者が集う友ページ参照)などもしていますので、遠慮なくお問い合わせください。
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