知って安心 リウマチ治療の基本

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関節リウマチの治療の目標

関節リウマチの治療目標は関節リウマチになる前の状態に戻ることです。患者さんが毎日普通に日常生活を過ごせるようになることが、私たちに求められていることだと考えています。

まず関節の痛みを、できるだけ取り除くことです。次に痛みを引き起こしている炎症を取り除くことです。痛みもない腫れもない、検査でも異常が全く認められないこうした状態を寛解と呼びます。

関節リウマチの診断:早期発見のために

関節リウマチの診断は、問診、内科的診察、そして様々な検査結果を総合的に評価して行われます。

1. 問診:詳しくお話を伺います

医師はまず、患者さんから詳しくお話を伺います 。

  • いつから、どの関節に、どのような症状(痛み、腫れ、こわばりなど)がありますか?
  • 症状は朝と夕方で変化しますか?
  • 他に気になる症状(熱、だるさなど)はありますか?
  • これまでにかかった病気や、現在治療中の病気はありますか?
  • ご家族に関節リウマチや他の膠原病の方がいますか?
  • 日常生活で困っていることはありますか?

これらの情報は診断の手がかりとなるため、できるだけ正確に伝えることが重要です。事前にメモなどにまとめておくとスムーズです 。

2. 内科的診察:見て、触って、確認します

問診に続き、医師が関節の状態などを丁寧に診察します。

  • 視診: 関節の腫れ具合、赤み、変形の有無、皮膚の状態などを目で見て確認します 。
  • 触診: 関節を触って、熱感の有無、腫れの程度、押したときの痛み(圧痛)があるか、どの程度かなどを確認します。経験豊富なリウマチ専門医は、関節の触れ方でリウマチ特有の腫れ(滑膜炎)かどうかをある程度推測できます。また、リンパ節の腫れなども確認します 。

3. 検査:客観的なデータで裏付けます

診断を確定し、病気の活動性や進行度を評価するために、いくつかの検査が行われます。主な検査には血液検査(リウマチ因子 抗CCP抗体 炎症マーカーや抗核抗体の測定など)、画像検査(X線、関節エコー、MRI、など)、そして関節液検査(関節から関節液を採取して分析)が含まれます。

4. 診断基準:総合的に判断します

これらの問診、診察、検査結果を総合的に評価し、関節リウマチの診断が行われます 。

飲み薬や注射による治療

痛みをとるためには痛み止めを使用することや、短期的にステロイドホルモン剤を使用して炎症が早く取れることを選択する場合もあります。いずれにしても患者様に選択肢をご提示したうえで、患者様に選んでいただき合意のもとに進めていくのが関節リウマチ治療の基本です。

関節リウマチの関節炎を押さえ込むために行う治療は免疫を高める方法ではなく、免疫を抑えていくことです。
飲み薬の抗リウマチ薬や遺伝子工学で作られた生物学的製剤を注射する方法や、特殊な構造と作用を持ったJAK阻害剤などを使っていきます

リハビリテーション・運動療法

身体機能を維持し生活の質を落とさず、治療の効果が早く現れるようにするための運動療法も有効と考えられています。痛みが強くて体を動かせなかった時間が長かったときにおきる、筋肉の衰えや動きを悪くしない、関節の可動域を保持・改善することが重要になります。

治療の4本柱

関節リウマチが寛解となり、その状態を維持していくためには、下記の4つが重要と言われています。

  • 薬物療法の継続
  • 傷んだ関節保護と過動・誤動による将来的な関節破壊を防ぐ筋力保持、ADL維持を目的としたリウマチ特化型リハビリテーションの実施
  • 既に壊れってしまった関節や起こりうる建・骨格筋トラブルへの対応(外科的治療)
  • 患者自身のセルフケア(自己管理)継続のための情報提供や相談・指導

この4本柱は4本とも同じくらい重要と言われており、この基本がなければ寛解達成、寛解維持は難しいでしょう。

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